暁星国際中学校・高等学校

英語コラム③「理屈も大切!?」-「仮定法」
トピック, 英語教育

2023年02月21日
 

前回 → 英語コラム②「理屈も大切!?」-「仮定法」

 「なぜ英語では現在のことを過去形で表現するのか」という疑問に答えるためには、英語の「現在形」と「過去形」の根本理解が必要です。

 

 私たちは「現在形」は「今のこと」、「過去形」は「過去のこと」を述べるときに使う時制だと思っていますが、英語はもう少し厳密です。英語において、「現在形」で表現できるのは「現在の事実」つまり「現時点において事実であること(あるいは、事実と思われること)」です。

 

 前回の例で言うと、「私は彼の住所を知らないので手紙を書けない」は「現時点における事実」なので、現在形で表現できます。それにたいして、「もし彼の住所を知っていれば手紙を書けるのに」は「現在」のことですが「事実」ではありません。それゆえ、「現在形」では表現できないのです。

 

 では、なぜ英語ではそれを「過去形」で表現するのでしょうか?

 

 それを理解するためには「過去形」の厳密な定義を知る必要があります。過去形とは「現時点で事実でないことを表わす時制」なのです。

 

 英語における「現在形」と「過去形」は単に「時間」を表わすだけではなく、「事実」かどうかを表わすためにも用いられます。ここが非常に重要な点です。(つづく)