暁星国際中学校・高等学校

人生の大切なことは全て暁星国際の寮生活で学びました。第3回
トピック, 卒業生のメッセージ

2017年10月10日

茂田写真

西船橋泌尿器科クリニック 院長
茂田安弘(暁星国中学校3期生・高校8期生)

 私は昭和57年4月に暁星国際中学校3期生として入学しました。中学校時代のヨハネ寮は、当時は16人部屋で先輩・後輩が一緒の部屋での生活でした。毎朝6時の起床放送で1日が始まります。冬はまだ夜明け前の暗い中、当時は全員が中庭にダッシュで走りラジオ体操へ・・・。授業は朝6時40分から15時まで、そのあとクラブ活動等思い思いに過ごして、夕方からは掃除(雑巾がけです。)、ベッドメーキング(何度もベッドのシーツをやり直しさせられました。)、17時30分から夕食、19時から途中15分の休憩を挟んで、3時間の自習をして22時消灯。
  先輩からの叱咤もあれば、励ましや様々相談に乗って貰う事もしばしばありました。そして寮生活を送っていると自然と空腹で何でも食べられるようになります。(好き嫌いがなくなります。)プライバシーを大切にできるようになります。(抜群に周囲に気が遣えるようになります。)、病気になったら自分で保健室までたどり着けないといけません。(病気にならなければ済むことです。そのために健康に気をつけられるようになり、また病気にならないために良く早く寝るようになりす。)・・。
  当時は日曜日に市内に買い出しにいける以外は、今のような通信手段がない時代でもありましたので、社会とは隔絶された生活でもありました。3時間の強制的な自習時間など他校の人から見れば「暁星の常識は世間の非常識」と言われるような事もありました。
 一方で夕食後に、友達と憩いの一時はカードゲーム、ゴムボール野球と短い休憩も時間が大切な分だけ寸暇を惜しんで本当に楽しい時間でした。卒業後30年が経った今でも先輩後輩問わず、同じ釜の飯を食った仲間として、思い出に話が尽きません。今振り返ると、自由の少ないこの時期こそが、その後の社会に出てからの「型」が作られる大切な時間であったように思われます。私も医師としての礎が、この寮生活で構築できたと感謝しております。社会に出て一番悩まされる難問は様々ある中でやはり人間関係であり、場合によっては解決できない心の闇へと進んでしまうケースも多々ある時代です。そうした複雑社会の中で人生の荒波を乗り越えて生きるために大切な事は、まさに環境への適応であると痛感します。寮生活のメリットは、このメソッドを誰でも獲得できることに尽きると思います。寮という閉鎖的な空間には、まさに社会の縮図があります。
 学問はその気になれば後からでもやり直せますが、学問以外の大切なことが凝縮した社会が暁星国際の寮生活の本質だと確信します。暁星国際の寮で学ばせて頂いた全てが、今の私の人生の糧となっています。