暁星国際中学校・高等学校

卒業生寄稿文
トピック

2020年01月28日

昨年開催された本校の創立40周年記念式典で再会した卒業生が、暁星国際での思い出を寄稿してくれました。

母校について思うこと

英国ウェールズ政府代表部 日本事務所 上級外務担当官
第12期卒業生(アングロアメリカンコース2期生)
岡田五郎

社会に出てはや25年、現在は英国ウェールズ政府の日本代表部で、日系企業の誘致・対日輸出促進に関わる業務を行っています。日本とウェールズ両国間の経済関係構築の上で重要なことは、多くのステーク・ホルダーの意見を聞きそして調整を図る事であります。特にBrexitを月末に控えた現在、英国は日本のみならず交易のあるすべての国と短期間で貿易協定を締結する必要があり、FTAについても現在移行期間中ということでまさにこれから正念場を迎えます。
私見にはなりますが、英国人は先ず相手の言う事をよく聞き、考え、そして自分の意見を述べます。英国では異なる意見・考え方を持つことは良しとされ、それを相手に伝える方法が評価されます。時にはこの強い傾聴力により鋭い質問が投げかけられ、プレゼンテーションをさせれば世界一であります。職場である駐日英国大使館の同僚の多くが、この素晴らしいスキルを持ち合わせています。日本人がこのような舞台で実力を発揮するには、当然のことながらコミュニケーションスキルや経験がそのベースになければならないのは言うまでもありません。
暁星国際で過ごした3年間は、私にこのスキルやチャンスを十二分に提供してくれる素晴らしい時間でした。日本中・海外から集まってきた同級生との出会いは、自分の人生に大きな影響力を与えたことと強く感じます。特に私が在籍していたアングロ・アメリカンコース(現在のインターナショナルコース)は帰国子女を含む16名という少人数のクラスでした。国語・古文以外の科目は全て英語・フランス語で授業がされ、とても国際色豊かな環境でした。コースの必修カリキュラムでもあった3か月間に渡るオックスフォードとケンブリッジでの語学留学は、その後の英国国立ロンドン大学への進学、そして現在の仕事に就くきっかけを与えてくれました。
在校中に異なるバックグラウンドを持った友人と共に過ごした寮生活の3年間は、現在の私のかけがえのない思い出であり、今の私の仕事にとって不可欠な傾聴力の礎ともなる貴重な経験となりました。暁星国際の最大の魅力はなんといっても在学中に育まれる強い結束力です。卒業後も同期のみならず、恩師、先輩、後輩とも機会があれば集い、暁星国際ファミリーとして、旧交を温めながらお互い刺激しあい古き良き思い出話に花を咲かせています。